「HIITが脂肪燃焼にいいっていうけど、何すればいいの」
「本当に効果あるの?」
高い脂肪燃焼効果で有名な「HIIT」。
短い時間でダイエットや体力向上ができるということで注目が集まっています。
確かに高い効果を期待できます。
しかし、方法を間違うと単に疲れるだけです。
あなたの知るHIITトレーニングは、本当に正しいものですか?
HIITトレーニングの効果とメニュー例を紹介します。
HIITとは
HIIT(High Intensity Interval Training)とは、全力で運動して短時間休むことを繰り返す手法です。
体力づくりや脂肪燃焼を効率よくできるという特徴があります。
読み方はヒート。
ヒットとも読めますが、HIT(High intensity training:高強度トレーニング)と混同します。
まぁ、HITは単なる高負荷の筋トレのことで、マイナーな呼び方ですけれど。
HIITトレーニングの4つの効果
脂肪燃焼効果が高い
HIITの効果でも有名なのが、脂肪燃焼効果が高いことでしょう。
論文(R)で以下の有酸素運動を比べて、どれが最も体重が減るかを比べました。
- HIIT
- ランニング
- ジョギング
- 早歩き
- サイクリング
12週間分以上を比較したら、HIITが他の有酸素運動よりも28.5%も体重が減ったそうです。
ダントツですね。
また、アフターバーン効果も期待できます。
アフターバーンとは、運動後もしばらく代謝が上がることです。
この現象はまだちゃんと解明されていません。
ただ、高負荷の筋トレ後には発生し、有酸素運動の後は発生しないそうです
筋肉の合成がかかわっていることが予想されるため、HIITでもアフターバーンが発生するらしいです。
食欲を抑える
HIITの効果の1つが、食欲を抑えることです。
「お菓子を食べたくなったら運動すればいい」という話を聞いたことはありませんか?
運動するとエネルギーが体全体に供給されて、食欲が減ります。
HIITは、食欲を抑える効果がランニングよりも高いのです。
なぜなら食欲を抑えるには、運動時間の長さよりも運動の激しさのほうが重要だから。
激しい運動の達成感で脳が喜び、食事への興味が薄まります。
筋肉が減らない
HIITの効果の1つが、筋肉が減らないことです。
有酸素運動は脂肪燃焼に効果的ですが、あまりに長い時間続ければ筋肉が減ります。
体内の糖質が枯渇し、筋肉で補おうとするためです。
糖質は主要のエネルギー源ですが、持続しません。
脂肪はエネルギーを長く供給してくれますが、低負荷の運動向きです。
マラソンなどの高負荷の有酸素運動の場合、糖質では足りず、脂質では弱いのです。
その結果、筋肉を分解して、エネルギー不足に対応します。
HIITなら短時間で終わります。
筋肉の分解が加速する前にやめることができるのです。
また、筋肉に強い負荷をかけるので、筋肥大の効果もあります。
アンチエイジングになる
HIITにはアンチエイジングの効果があります。
体内の炎症が減るためです。
論文(R)に、週2回、45分のHIIT(ただし、全力で運動する時間の合計は8分20秒)で10週間続けた結果があります。
結果は以下の通りです。
- 全身の体の炎症が激減
- 関節痛が改善
- 筋肉が増加
- 体脂肪減少
- 副作用なし
炎症は老化の原因になります。
体内の炎症が減れば、アンチエイジングになりますね。
HIITトレーニングのやり方
入念なウォーミングアップ
まず、ウォーミングアップを忘れないようにしましょう。
HIITはケガをしやすいためです。
短時間で思い切り動くため、HIITはケガをしやすい運動です。
全力を出し切れる時間を探す
自分だけの全力を出し切れる時間を探しましょう。
定番のHIITトレーニングメニューにタバタ式がありますよね。
20秒全力で動き、10秒休むトレーニングです。
しかし、この20秒は絶対ではありません。
HIITは1セットごとに全力を出します。
1セットの運動時間がが20秒なら20秒で、1分なら1分で全力を出し切らなければいけません。
つまり、個人の体力次第で運動の時間が変わるのです。
なお、ネットで見かけるHIITメニュー例の中には プランクなど体幹トレーニングを組み込む例もありますよね。
しかし、プランクでダッシュやバーピーのように心拍数を上げられるでしょうか?
運動するだけマシかもしれませんが、HIITメニューとしては間違いです。
息切れするほど全力で運動することが大切なのです。
運動と休憩のバランスは2:1が理想
HIITをするなら、運動と休憩のバランスは2:1が理想です。
HIITの休憩時間は短めです。
休憩しすぎると、体への刺激が弱まるためです。
しかし、休憩時間が短すぎると、回復不足で運動が続きません。
このバランスを調べた論文(R)があります。
運動時間が4分に対して休憩時間が1分、2分、4分で比べたところ、1分では運動が続かず、2分と4分では効果に差がありませんでした。
効果と効率の観点から、運動と休憩のバランスは2:1を基準にするとよいでしょう。
最大心拍数を維持することが重要
「HIITでは全力を出すこと」というアドバイスをよく耳にすると思います。
しかし、その全力を維持できてますか?
HIITはとてもキツイので、後半は全力を出している「つもり」になりがちです。
「全力を出す」という意識よりも、主観の苦しさのほうが役立ちます。
RPE(自覚的運動強度)といって、感覚だけでも実際の心拍数に近い運動強度が判断できます。
HIITの心拍数の目安は、呼吸が激しくて声も出ないことです。
各セット終了時に、同じ状態まで自分を追い込みましょう。
休憩時間も軽く動き続ける
HIITの休憩時間にも軽く動き続けたほうがいいです。
動きを止めると、動き出すときに億劫になりませんか?
初動が鈍くなり、運動の質が下がります。
休憩中も軽く動き続けたほうが、運動時間をフルに使えますよ。
また、休憩時間は完全に休むよりも、軽く動いたほうが体力アップを期待できるそうです。
いわゆるアクティブレストですね。
だんだん強度を上げる
HIITはかなりきついですが、段々慣れます。
いつの間にか体力ができて、無自覚に楽をしているかもしれません。
1、2か月ごとを目安にして、下記を参考に定期的に強度を上げると良いでしょう。
- エアロバイクやウェイトを使っているなら負荷を上げる
- ダッシュなら坂道や階段を使う
- 動作にジャンプを加える
HIITトレーニングのメニュー例
20分かかるけど負担は軽め マクマスター大学方式
初心者向けのHIITとして、マックマスター大学方式を紹介します。
週2回で内臓脂肪を25%も減らした方法です。
8秒全力→12秒休憩 60セット
合計20分かかりますが、運動時間は8分です。
「8秒間で全力を出す」と言いますが、最大心拍は77~85%でかまいません。
4分でできる タバタ式
4分のHIITで有名なタバタ式です。
20秒間運動→10秒間休憩 8セット
多くのアスリートが実践している方法です。
4セット終了後、数分の休憩を挟むパターンもあります。
リバースタバタ
リバースタバタとは、タバタ式の運動時間と休憩時間を逆にしたものです。
10秒間運動→20秒間休憩
休憩時間が長い分、タバタ式よりもメンタル的に楽ができます。
持久力よりも筋力アップ向きです。
最強レベル ノルウェー式
最強レベルとされるHIITが、ノルウェー式です。
4分間運動→3分間休憩 4セット
4分間も全力を出し続けるというだけで、つらそうですよね
「自分の限界に挑戦する」ぐらいの意識がないと続かないでしょう。
ただし、心肺機能が強化されるだけでなく、ミトコンドリアの若返り効果も高めです。
HIITトレーニングでよく使われる種目
HIITトレーニングは短時間で全力を出し切ることが重要です。
そのため、高負荷な種目がよく選ばれます。
HIITトレーニングでよく使われる種目は、以下の通りです。
- ダッシュ
- エアロバイク
- ランニングマシン
- スクワット
- バーピー
- ケトルベル
HIITトレーニングで効率の良い運動を!
HIITトレーニングの効果とメニュー例を紹介しました。
HIITトレーニングの効果は
- 脂肪燃焼効果が高い
- 食欲を抑える
- 筋肉が減らない
- アンチエイジングになる
HIITトレーニングのポイントは
- 入念なウォーミングアップ
- 全力を出し切れる時間を探す
- 運動と休憩のバランスは2:1が理想
- 最大心拍数を維持することが重要
この条件を守れば、種目と時間は好みで調整できます。
HIITトレーニングはつらいですが、ダイエット、体力づくり、若返りなど、メリットもたっぷりです。
一日の時間は限られるので、いやな運動こそ、効率よくやらないと損ですよ。