減量期のPFCバランスって何食べる?

「減量期を早く乗り越えたいけどPFCバランスの目安ってある?」
「計算が面倒。タンパク質と野菜だけじゃダメ?」

減量期には食べるものについて注意が必要です。
痩せるためには、消費カロリーが摂取カロリーを上回る必要があります。

しかし、むやみに摂取カロリーを減らすべきではありません。
筋肉が減ったり体調を崩してしまいます。

では、何をどのくらい摂ればいいのでしょうか?

減量期のPFCバランスの割合目安と計算方法を説明します。

PFCバランスの計算ツールを作りました。

PFCバランスとはカロリー源の割合のこと

PFCバランスとは、タンパク質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrate)の割合のことです。

P:タンパク質
F:脂質
C:炭水化物

基本的に質量(g)ではなくカロリーの比率を指します。

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減量期のPFCバランスの割合目安は424

減量期のPFCバランスの割合目安は、P:F:C=4:2:4です。
後で説明しますが、健康を意識した最低カロリーのバランスを計算すると、だいたい424になります。

健康的に痩せる減量の目安は、週に体重の0.5%~1.0%です。
そもそも、短期間で一気に痩せようとすれば、体に大きな負担がかかります。
無理をして痩せた結果、体やメンタルを壊して、後で痩せた分以上に太ることも・・・

また、PFCバランスとは別に、以下の量も目安になります。

タンパク質:体重1㎏あたり2.0~2.7g
脂質:体重1㎏あたり0.5g以上、総カロリーの20~30%以下
炭水化物:体重1㎏あたり1.0g以上

タンパク質(P):2.0 ~ 2.7g/kg

減量期のタンパク質の摂取目安は、体重1㎏あたり2.0~2.7gです。

筋トレをしている人の推奨量(体重1㎏あたり1.6g)よりも多く必要になります。
なぜなら、筋肉の分解が進むためです。

減量期は、摂取カロリーを減らしますよね。
摂取カロリーが消費カロリーよりも少なければ、筋肉の分解が加速します。

十分なタンパク質を摂取すれば、筋肉の分解は抑えられます。

なお、「減量期のカロリー源はタンパク質だけでいいのでは?」と思うかもしれませんが、脂質と炭水化物も必須です。
タンパク質は、筋トレの燃料にはならないためです。

すこーふすこーふ

カロリー不足だと筋肉が分解されやすくなる。いつもより多めのタンパク質を。

脂質(F):0.5g/kg ~ (総カロリーの20~30%)

脂質の割合は総カロリーの20~30%が目安です。
これは減量期でも変わりません。

ただし、最低ラインは体重1㎏あたり0.5gなので、厳守しましょう。
ホルモンや細胞の材料になるためです。

脂質、特に不飽和脂肪酸は体内で作れないので必須です。
ホルモンや細胞を作る材料になるだけでなく、脂溶性ビタミンの吸収率を上げてくれます
脂質は皮脂の材料にもなるので、乾燥肌の対策にも重要です。

ホルモンバランスが崩れると代謝が悪くなり、痩せにくくなります。
効率よく痩せるために、最低限の脂質を忘れないようにしましょう。

不足しやすいオメガ3は、特に意識して摂取したいところですね。

すこーふすこーふ

脂質は高カロリーだけど必須。特にオメガ3不足に注意。

炭水化物(C):1.0g/kg以上

効率よく痩せるなら、炭水化物を体重1㎏あたり1.0g以上摂りましょう。

糖質制限ダイエットなど、炭水化物を減らすダイエットがありますよね。
しかし、0にはしません。

炭水化物が筋肉の分解を抑えてくれるためです。
また、エネルギー源になるので筋トレの質を上げます。
体脂肪を燃やす着火剤の役目もありますよ。

筋肉を維持しつつ脂肪を減らすために、最低限は必要なんです。

すこーふすこーふ

糖質制限は挑戦しやすいけど、脂肪を燃やすためにも少しは食べたほうがいい。

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減量期のPFCバランスの計算手順

減量期のPFCバランスの計算手順を説明します。

具体的には以下の通りです。

  1. 消費カロリーを計算する
  2. 摂取カロリーを決める
  3. タンパク質の摂取量を決める
  4. 脂質の摂取量を決める
  5. 炭水化物の摂取量を計算する

なお、いちいち計算するのは面倒なのですよね。
PFCバランスの計算ツールを作りました。

例として、35歳男性、身長170㎝、体重60kg、立ち仕事がメインな人について計算します。

消費カロリーを計算する

まず、1日に消費するカロリーを計算します。

計算式は

((0.1238+(0.0481×体重kg)+(0.0234×身長cm)-(0.0138×年齢)-性別*1))×1000/4.186
注)*1;男性=0.5473×1、女性=0.5473×2

国立健康・栄養研究所の式(Ganpule et al., 2007)

引用元:国立健康・栄養研究所の式を用いた基礎代謝量の推定|健康・栄養フォーラム

立ち仕事がメインな人の活動係数は大体1.7です。

すると、消費カロリーは2419kcalです。

摂取カロリーを決める

次に摂取カロリーを決めます。

健康的に痩せる減量の目安は、週に体重の0.5%~1.0%です。

仮に1.0%減量するなら、体脂肪のエネルギーは1kgあたり7200kcalなので

60 x 0.01 x 7200 / 7
= 617 (小数点以下切り捨て)

1日あたり617kcalずつ減らせばいいということになります。

なので、1日の摂取カロリーは

2419 - 617
= 1802 kcal

タンパク質の摂取量を決める

体重1㎏あたり2.0gと仮定すると、体重60㎏だからタンパク質の摂取量は120gです。

脂質の摂取量を決める

総カロリーの20%にするなら、360kcalです。

しかし、gに直すなら、脂質は1gあたり9kcalだから、脂質の摂取量は約40gですね。

炭水化物の摂取量を計算する

摂取カロリーからタンパク質の分と脂質の分を引きます。
タンパク質は1gあたり4kcalなので

1804 - (120 x 4 + 360)
= 964 kcal
= 241 g

炭水化物の摂取量は241gです。

なお、炭水化物は必須栄養素ではないので多少減らしても問題なしです。

PFCの目安量に従ってタンパク質の量を増やし、脂質と炭水化物を減らすと、PFCバランスが424になります。

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減量期のPFCバランス調整におすすめの食材

タンパク質豊富かつ脂質が少ない食材

減量期のタンパク質に魚を

筋肉を維持するならタンパク質は最重要。

ただし、高タンパクな食材の多くは脂質も豊富です。

  • プロテイン
  • 鶏むね肉(皮なし)
  • ささみ
  • 豚ヒレ肉
  • レバー

プロテイン

タンパク質の定番その1、プロテインです。
特にWPI(ホエイプロテインアイソレート)がおすすめ。
タンパク質含有率が90%超えだし、乳糖不耐症の人でも飲めます。

プロテインは水に溶かして飲むだけなので、とても簡単ですよね。
食事前に飲めば食欲を抑えられますし、おやつ代わりに飲むこともできます。

ただし、プロテインを選ぶときは粗悪品に注意。
プロテインなのに含有率が低いものや、タウリンなどでカサ増ししている場合があります。

すこーふすこーふ

プロテインもピンキリ。面倒だけど成分表だけでも見よう。

鶏むね肉(皮なし)、ささみ

タンパク質の定番その2、鶏むね肉(皮なし)とささみです。

鶏肉は皮をとれば全体的に高タンパク低脂質ですが、鶏むね肉とささみは特に低脂質ですね。

鶏むね肉は価格も安めなので、積極的に食べたいところ。

パサパサ感が苦手な場合は、蒸すといいです。

また、スープにつけても食べやすくなります。

すこーふすこーふ

スパイスで味付けするとより健康的!

豚ヒレ肉

豚肉もヒレ肉なら低脂質です。

鶏むね肉と比べて値段が高い豚ヒレ肉。
少し手が出にくいですが、鶏肉よりもビタミンB群が豊富です。

ビタミンB群は糖質・脂質・タンパク質の代謝を手伝ってくれるため、痩せたければ重要な栄養素になります。

すこーふすこーふ

「痩せるため」という名目で、たまには贅沢な豚ヒレ肉を。

レバー

レバーも高タンパク低脂質です。
上記のほかの食材に比べれば少し脂質が増えますが、ビタミンやミネラルが豊富なので、定期的に食べたいところですね。

良質な脂質が豊富な食材

減量期の脂質に、健康的なオリーブオイル

脂質は高カロリーなので、量に注意が必要です。
多くの場合、タンパク質を意識した食事をするだけで、十分な量の脂質が摂れてしまいます。

また、脂質は過剰になりやすいのにオメガ3は不足しがち。
しかも、加熱すれば酸化するので、食材選びが大変ですよね。

脂質が豊富なおすすめ食材は以下の通りです。

  • サバの水煮缶
  • オイル単品(サラダ用)

減量期の脂質のおすすめ食材、1つ目はです。
不飽和脂肪酸だけでなく、幅広い栄養を摂れるためです。

卵は準完全栄養食。
ビタミンCと食物繊維以外は一通りの栄養が入っています
飽和脂肪酸も入ってますが、不飽和脂肪酸のほうが多めです。
脂溶性ビタミンもまとめて取れるので、減量期でも積極的に摂りたい食材です。

おすすめ調理法はゆで卵です。
殻で密封されているため、卵黄の脂質が酸化しません
生卵もOKですよ。

すこーふすこーふ

ゆで卵のサラダは栄養バランスが良くてお腹も満たされるからおすすめ!

サバの水煮缶

減量期の脂質のおすすめ食材、2つ目はサバの水煮缶です。
DHAとEPAが豊富だからです。

脂質の中でも重要なのがオメガ3です。
そして、オメガ3の中でも特に重要な成分が、DHAとEPA。
魚に多く含まれます。

オメガ3自体はアマニ油などからでも摂れます。
しかし、すべてのオメガ3がDHAやEPAに変換されるわけではないんです。

サバは魚の中でも脂質が多めです。
水煮缶ならサバの脂質が酸化することもありません
味噌煮缶なども良いですが、味付けの分のカロリーが追加されていることをお忘れなく。

なお、1缶(マルハニチロ製190g)で脂質が23.4gと、かなり多めです。
減量期は週1,2回くらいにして、食べ過ぎないように。

すこーふすこーふ

缶詰の汁にもオメガ3がたっぷりだから捨てたらもったいない!ご飯やサラダにかけるとおいしいよ。

オイル単品(サラダ用)

サラダにオイルをかけるのもおすすめです。
そのままかければ楽ですし、ドレッシングやマヨネーズを自作するのもアリ。

  • オメガ3:魚油、アマニ油、エゴマ油
  • オメガ6:植物油
  • オメガ9:オリーブオイル

なお、市販のドレッシングはおすすめしません。
酸化した油を使っているからです。
また、味の調整や賞味期限のために、余計なものがたっぷり入っています。
カロリーの調整をミスしやすいので、減量期にドレッシングやソースは避けたほうが無難です。

すこーふすこーふ

単にオリーブオイルをかけるだけでも、サラダは食べやすくなるよ。

炭水化物が摂れて太りにくい食材

減量期のおすすめ炭水化物 ベリー類

脂質やタンパク質と比べれば、炭水化物の量は数字上は調整しやすいです。
ただし、気を抜けば食べ過ぎてしまうのも炭水化物(正確には糖質)。

  • ベリー類
  • 葉野菜
  • イモ類

ベリー類

ベリー類は炭水化物が摂れて太りにくい食材です。
糖質の量は控えめですが抗酸化物質が豊富なため、カロリー制限のダメージを軽減してくれます

ほかのフルーツと比べて大量に食べても太りにくいので、甘いものが欲しいときにおすすめです。

すこーふすこーふ

たくさん食べられて太りにくいベリー類は、減量期のおやつに最適。

野菜

野菜の炭水化物の量はピンキリですが、太りにくいです。

果菜類や根菜類は炭水化物の量が多いのですが、穀物やイモ類に比べればたかが知れています。
ビタミンやミネラル、抗酸化物質が豊富なので、減量期のダメージを和らげてくれます。

多くの人は野菜の摂取量が全然足りていません。
特に減量期は食物繊維が不足しやすく、便秘になりがちです。
野菜、とくには野菜を積極的にとったほうがいいです。

すこーふすこーふ

お腹の不調はストレスになる。野菜で腸内環境の調整を。

イモ類

イモ類も太りにくい食材です。
正確には食べ過ぎにくい食材ですね。

「イモ類は太りやすいだろ」と言われるかもしれませんが、調理法次第。

じゃがバターやフライドポテトは太ります。
しかし、蒸したじゃがいもは満腹になりやすいので太りにくいんです。

イモ類は炭水化物が豊富ですが、食物繊維も多く、たくさん食べなくても満腹になれます。

すこーふすこーふ

イモ類で太る理由はおいしい料理が多いから。体を絞るなら調理に手をかけすぎないほうがいいよ。

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減量期を早く乗り越えるためにPFCバランスの計算を

減量期のPFCバランスの割合目安と計算方法を説明しました。

減量期のPFCバランスの割合目安は、P:F:C=4:2:4です。

割合とは別に、PFCの目安量があります。

タンパク質:体重1㎏あたり2.0~2.7g
脂質:体重1㎏あたり0.5g以上
炭水化物:体重1㎏あたり1.0g以上

減量期のPFCバランスの計算手順は以下の通りです。

  1. 消費カロリーを計算する
  2. 摂取カロリーを決める
  3. タンパク質の摂取量を決める
  4. 脂質の摂取量を決める
  5. 炭水化物の摂取量を計算する

いくら摂取カロリーが減っても、PFCバランスが偏っているとなかなか痩せません。
減量期を効率よく乗り切るために、PFCバランスを意識しませんか?