16時間断食のデメリットの話を聞いたけど、大丈夫なの?
デメリットも確かにあるよ。
ただし、不十分な知識が原因のケースも多いんだ。
主なデメリットとその対策を説明するよ。
「16時間断食で失敗した話を聞いたけど大丈夫?」
「どんなデメリットがあるの?」
ダイエット法の1つ、16時間断食。
簡単に始められて、比較的楽に痩せやすいため、流行りつつあります。
しかし、中には失敗談も。
聞いてみると、不十分な知識で16時間断食を試したようでした。
16時間断食の効果には、個人差があります。
中には副作用が出る人もいるでしょう。
しかし、正しい知識で実践すればデメリットを避けることができます。
どんな副作用が出るか知っていれば、即座にやめることもできましょう。
16時間断食を2年以上続けている僕が、16時間断食のデメリットとその対策について説明します。
16時間断食でありがちな8つのデメリットと対策
16時間断食でありがちなデメリットは、以下の8つです。
なお、対策も記述しました。
- 空腹感がつらい:3食のまま食事の時間を少しずつずらす
- 栄養不足:カロリー計算をしていないor守っていないため
- 太る:加工食品を食べすぎ
- リバウンドしやすい:16時間断食の食事+1食だから
- 筋肉の減少:タンパク質不足と過剰な有酸素運動
- 便秘:水分・糖質不足
- 効果が出ない:あなたの体質に合っていないかも
- 周囲からの干渉:他人の言いなりでいいの?
これら以外に「持病が悪化した」なんて話もある。
けど、そもそも持病持ちなのに、医者に相談せず食生活を変えることがリスキーだよね・・・。
空腹感がつらい:3食のまま食事の時間を少しずつずらす
16時間断食のデメリットの一つが、空腹感です。
1食減らしたも同然なので、慣れるまではお腹が減ってツラくなります。
だいたい1週間ほどで慣れるので、夢中になれることで空腹感をごまかすのも1つの手です。
趣味、掃除、仕事など、何かに夢中になって食事を忘れた経験はありませんか?
食事を我慢する時間帯に、趣味に没頭するのも良いでしょう。
ご飯を忘れるほど夢中になったことを、ご飯の代わりにしてみない?
ですが、もっといい方法があります。
普段の食事の時間をずらすことです。
朝食の時間を30分遅く、夕食を30分早くしてみましょう。
慣れたらさらにずらしていきます。
最終形は、勤務時間の直前に朝食を、直後に夕食を食べる形です。
だいたい14時間ほど断食できるはず。
ここまでくれば16時間断食に切り替えても、ずらす前に比べれば楽でしょう。
「あと30分だけ」って具体的なら我慢しやすいよね。
朝食と昼食の間隔が狭すぎるなら、昼食も遅くするといいよ。
いっそ昼食抜きもアリ。
栄養不足:カロリー計算をしていないor守っていないため
16時間断食のデメリットの1つが、栄養不足です。
食べ過ぎを気にしすぎた結果、食べなさ過ぎて栄養不足になります。
16時間断食は食事回数が減るため、3食に比べるとバランスがとりにくいです。
また、「断食中以外は好きに食べていい」というルールから、摂取カロリーを気にしてしまうのでしょう。
しかし、栄養不足の問題は16時間断食に限った問題ではありません。
ダイエットの基本はカロリー計算です。
どんなダイエット法でも、痩せたいなら厳密なカロリー計算が必要になります。
痩せたいから低カロリーな生活を続けると、慢性的な栄養不足になります。
栄養不足の状態で体を動かすと、低血糖状態になりやすいです。
低カロリーの生活を続けるにしても、せめて一日に必要なカロリーを守りましょう。
また、低カロリーの生活を長く続けていると、ホルモンバランスが乱れて基礎代謝が下がります。
チートデイやダイエットブレイクを組み込み、定期的に体調を回復させましょう。
食べる回数を減らすからこそ、残りの食事で野菜や魚を食べることが大切!
太る:加工食品を食べすぎ
16時間断食のデメリットの1つが、「太ることもある」です。
断食しているのに、なぜでしょうか?
16時間断食をしているのに太った時は、何を食べたか思い出してください。
お菓子、揚げ物、パンなど、加工食品ばかり食べていませんか?
16時間断食は、断食時間以外なら何を食べても構いません。
なぜなら、自然と食欲毛減ることに加え、食べられる量はたかが知れているためです。
しかし、以下の条件を満たすと、逆に食欲が増えてしまうのです。
- 加工食品を良く食べる
- 睡眠不足
- タンパク質不足
「食事時間の間なら何を食べてもいい」という油断もあるので、ついつい食べ過ぎてしまうことでしょう。
特に、加工食品は食欲を暴走させます。
もしかしたら、あまり食べられないから、加工食品でカロリー不足を補おうとしているのかもしれません。
16時間断食で太った場合、加工食品を加工の少ないものに置き換えてみてください。
- お菓子なら、ナッツやフルーツ
- ハンバーグやソーセージなら、サラダチキンやゆで卵
加工食品は食べ過ぎを狙って作られてるよ。
痩せたいなら加工の少ない食材を選ぼう。
リバウンドしやすい:今までの食事+1食だから
16時間断食のデメリットの1つが、リバウンドです。
「16時間断食をやめたら、元の体重に戻ってしまった」なんて話を聞きます。
ダイエットでリバウンドする主な原因は、基礎代謝の低下と言われています。
筋肉の減少により基礎代謝が低下してリバウンドした、ということですね。
しかし、本当にそうでしょうか?
今までの食生活で太ったから、ダイエットしたのですよね。
ならば、痩せてからダイエット前の生活に戻れば、太るのは当然ではありませんか?
16時間断食でも同じことが言えます。
16時間断食の食事内容のまま1食増やせば、1食分のカロリーが増えますよね。
2食で[摂取カロリー < 消費カロリー]だったのに、3食で[摂取カロリー > 消費カロリー]になれば、リバウンドします。
16時間断食をやめても体重を維持するには、3食で摂取カロリーを計算しなおす必要があるのです。
はっきり言って、16時間断食のままカロリー調整する方が楽です。
それでも16時間断食をやめるなら、しばらくの間は3食のカロリー計算をサボらないようにしましょう。
16時間断食をやめるときは、増える1食分のカロリーをほかで減らさなきゃ。
不都合がないなら16時間断食を続けたほうが体型の維持は楽だよ。
筋肉の減少:タンパク質不足と過剰な有酸素運動
16時間断食をすると筋肉が落ちるのではないか、と不安になるかもしれません。
不安の理由は糖新生(筋肉を分解して糖質を補う)でしょう。
空腹状態が続くと、体内の糖質が足りなくなり、糖新生が起こります。
この糖新生はオートファジーの一部です。
16時間断食の目的は、オートファジーを働かせて脂肪を分解すること。
このとき、使用頻度の低い筋肉も糖質に分解されてしまうのです。
ただし、16時間断食で分解される筋肉の量はそれほど多くありません。
断食に関する研究(R)によると、72時間断食した時の筋肉の減少量が、普通に食事した場合と変わらなかったそうです。
それでも筋肉の減少が気になるなら、原因はタンパク質不足と過剰な有酸素運動です。
カロリー制限するならタンパク質の目安は体重(kg)あたり2.0g
タンパク質の摂取量は筋肉に大きく影響します。
筋肉を増やすタンパク質の摂取量は、1食あたり約20gです。
しかし、筋肉の分解を抑えたいなら、タンパク質は多めに摂って問題ありません。
カロリー制限をする場合、筋肉の維持に必要なタンパク質の目安は、体重1kgあたり2.0gです。
筋肉を増やす時より多いですが、筋肉を落とさず痩せたいなら、タンパク質を多めに摂ることをおすすめします。
空腹時の過剰な有酸素運動は筋肉の分解を進める
空腹時の過剰な有酸素運動は、筋肉の分解を進めます。
糖質不足を補うためです。
体のエネルギー代謝の方法は3通りあります。
クレアチンリン酸系、解糖系、有酸素系です。
そして、運動の強度で、どの方法を使うかが変わります。
有酸素運動は有酸素系からエネルギーを作ります。
しかし、有酸素系でエネルギーを作るには、解糖系の代謝でできたものが必要なのです。
あまりに長時間の有酸素運動は、解糖系の代謝物を作るために、筋肉の分解を進めてしまいます。
断食中の有酸素運動は長くても1時間にとどめましょう。
便秘:水分・糖質不足
「16時間断食を始めてから便秘がち・・・」なんてお話を聞きます。
主な原因は水分・糖質不足です。
水分不足なら飲み物に塩や食物繊維パウダーを混ぜる
まず、水分のことから。
16時間断食をすると、食事回数が減りますよね。
食事回数を減らすことで、食事から得られる水分が減るのです。
16時間断食中に水分を摂ることは、空腹を満たすだけでなく、便秘対策にもなります。
16時間断食中に飲んでいいものは「水・お茶・コーヒー」です。
ただし、これらを飲んでいても便秘になることがあります。
なぜなら、水・お茶・コーヒーの水分は、すぐに尿になるためです。
すぐに吸収・すぐに排出するので、水分不足になってしまいます。
水分不足による便秘の対策は、飲み物に塩や食物繊維パウダー(イヌリン・難消化性デキストリンなど)を混ぜること。
「断食中に塩や食物繊維パウダーを混ぜてもいいの?」と疑問に思うかもしれませんが、大丈夫です。
16時間断食で重要なことは、断食中にインスリンを分泌させないこと。
インスリンが分泌される条件は、以下の通りです。
- 血糖値が上昇
- 血中アミノ酸濃度が上昇
塩にカロリーなどありませんし、食物繊維はそもそも吸収されません。
そのため、断食中に飲んでいい飲み物に混ぜても大丈夫なのです。
糖質不足なら総カロリーにおける糖質の割合を増やす
糖質不足は便秘の原因になります。
なぜなら、甲状腺のホルモン分泌量が減るためです。
甲状腺で作られるホルモンには、腸内の働きを刺激する役目があります。
糖質不足になると甲状腺ホルモンが減り、腸の働きが弱くなって便秘になるんです。
効果が出ない:あなたの体質に合っていないかも
16時間断食のデメリットの1つが、人によっては効果が出ないことです。
16時間断食を筆頭に、プチ断食の効果には個人差があります。
「きつめの断食よりも軽いカロリー制限のほうが痩せた」という人がいれば、
「週2の24時間断食のほうが体感的に楽だった」という人もいるのです。
16時間断食の呼応化が出なくても、他のプチ断食のほうが効果があるかもしれません。
いろいろお試しください。
体質以外にも以下の問題で効果が出ないどころか、副作用が出るかもしれないので要注意。
- 睡眠不足
- 運動不足
- 栄養バランスが悪い
- 持病持ち
- 消化力が弱い人(食事回数が少ない分、1食の量が多くなりがちなため)
- 女性(ホルモンバランスが乱れやすい。2割くらいの人に副作用が出る)
- 持久力を使うスポーツをする人
周囲からの干渉:他人の言いなりでいいの?
16時間断食を実行するときの障害の一つが、周囲からの干渉です。
食生活の意識は、人によって様々です。
例えば以下のような人がいます
- 朝食絶対主義
- 白米至上主義
- おすそ分けで半強制的に食べさせようとする人
特に朝食至上主義は厄介です。
なぜなら、日本政府が推奨しているため。
朝食が本当に健康的か、世界規模で答えが出ていないにもかかわらずです。
これらの考え方は個人の自由ですが、強要してくるのは問題ですよね。
個人の体質が違うので、万人向けの食事法などありません。
16時間断食に興味があるのなら、周囲からの干渉なんて無視して、試せばいいのです。
周囲の人があなたの人生に責任を持つことなどないのですから。
今の人間関係と自分の人生、好きな方を優先していいと思います。
なお、朝食の有無と健康について調べたメタ分析(R)があります。
この論文を読む限り、朝食を食べようが抜こうが健康面に大差はなさそうです。
16時間断食のデメリットを知り、正しく対策しよう!
16時間断食の8つのデメリットとその対策について説明しました。
以下の通りです。
- 空腹感がつらい:3食のまま食事の時間を少しずつずらす
- 栄養不足:カロリー計算をしていないor守っていないため
- 太る:加工食品を食べすぎ
- リバウンドしやすい:今までの食事+1食だから
- 筋肉の減少:タンパク質不足と過剰な有酸素運動
- 便秘:水分・糖質不足
- 効果が出ない:あなたの体質に合っていないかも
- 周囲からの干渉:他人の言いなりでいいの?
16時間断食は慣れれば楽ですが、注意しなければ様々なデメリットがあります。
しかし、どんなダイエットもデメリットがつきものです。
適当に実践すれば、失敗は当然です。
正しい知識を集めて真剣に取り組めば、成功率が上がります。
副作用を知っていれば、あなたに合っているか気付くきっかけになるでしょう。
この記事があなたの助けになればうれしく思います。